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Take me with you 



 新たなカテゴリーを作った。
 
 愛欲にドップリと浸って生きる私には実に似つかわしい・・・と、思う。
 そのカテゴリーの一番最初に誰を?何を?語ろうかと考えた。
 現在の状況を鑑みれば、どうあっても 壮一帆さん を語るべきなのだろう。
 しかし、そこで敢えて私は変化球・・・いや、消える魔球並みの変則攻撃を仕掛けようと思う。

 それは・・・
 
 はみだしっ子・最終章 『 つれて行って 』 についてである。
 
 はみだしっ子は、故・三原順さんが1975年から1981年まで書き綴った作品群で、( 番外編 オクトパス・ガーデン は1982年作 )  グレアム、アンジー、サーニン、そしてマックスの四少年の物語である。
 私はリアルタイムで花とゆめの連載を心待ちにしていた古いファンなので、このシリーズを語らせたら一晩中でも演説ぶつぞぉ~!
 この最終章が、偉大なる作品群の締めくくりに相応しいか否かは、これまでにも多くの方が語り尽くしたことだろう。
 私はと言えば、これしかなかったのだと思っている。
 ハッピーエンドなど最初からありえない物語だった。
 それを知りながら読み続けていた読者にとっては、衝撃的ではありながらも、どこか納得できる要素を含んでいたのである。

 はみだしっ子と言う様に、子供のお話・・・であった。 当初は。
 しかし、少年達は決して真っ直ぐではない人生に躓き、それを乗り越えながら成長していく。
 或る者はどれ程転んでも笑顔で立ち上がり、或る者は優しさゆえに正直になれず、そして、或る者は過去の一点に留まり続ける。
 
 誰もが一度は通り過ぎてくる思春期と言う名の、危うく、だからこそ美しい時代を四人はそれぞれの思いを抱いて生きていた。
 あれほど強く握り合っていたはずの互いの手が、冷たく震えながら遠ざかっていった時から、グレアムの中の幸福な時代は死んだ。
 

   同じならよかったのに
   ボクの望むものとボクの幸せが
   同じものならよかったのに

               【 はみだしっ子9/ブルーカラーより引用 】
 
 
 彼は自らを蔑み追いやる事でしか自分の存在価値を感じられない面倒な性格の持ち主だ。
 歯痒くなるほどに真っ直ぐ過ぎる精神は、フルスロットルのままカーブを曲がろうとして軋みをあげるかのように、声の無い叫びを上げながらも表面的には冷徹なほどの沈黙を続ける。
 
 グレアムは果たして知っていたのだろうか?
 彼の沈黙こそが何よりも、誰よりも、雄弁にその心の悲しみを語っていた事を・・・。
 
 だから私は彼を抱き締めたくなる・・・その悲しみごと全て・・・。
 泣いても良いのだから・・・何もかも投げ出してかまわないのだから・・・と・・・。
 


 でもきっと、グレアムは少し困ったような顔で曖昧に笑うだろう。

    その瞳は魂の深淵を縁取る黒曜石の輝きを湛えたまま
  
           ・・・静かに・・・笑うだろう・・・
 
 
 
 
 

[ 2008/06/08 20:14 ] 限りない愛を語れ |








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